リフトウォー・サーガ

レイモンド・E・フィースト、早川文庫

「他人の死や屈辱を喜びとする者は、

破滅の訪れを見るがいい!」byパグ


ミドミケアの見習い魔術師パグと親友の見習い兵士トマスは、海岸で座礁した船を発見します。

実はその船は、次元の裂け目(リフト)を通って、

並行世界ケレワンからやってきた物だったのです。

やがて裂け目から侵入してきたケレワンのツラニ帝国軍との大戦争が始まり、

ケレワンの捕虜となったパグと、古代種族の鎧を手に入れ超戦士となったトマスは、

それぞれの世界で活躍する事になります・・・

『指輪物語』の後継者と謳われる、重厚長大な物語です。

物語には他にもミドミケアの将軍アルサ王子や盗賊少年ジミー・ザ・ハンドといった複数の

主役級の人物が登場し、視点や舞台を次々に変えながら進行していきます。

エディングスが人物を描く作家だとすると、フィーストは歴史を描く作家だと言えると思います。

そのため主要人物の死亡率が高く、描写が少し蛋白なのが欠点と言えなくもありません。

(せっかく魅力的な女性キャラクターを出しておきながら、

ほとんど活躍させずに殺してしまったり。そのあたりエディングスと対照的です)

腰をすえて異世界を堪能したいという方にお奨めです。

(でもアジア、というか戦国時代の日本をイメージしたと思われるケレワン世界は、

ちょっと勘違いしている所があちこちにあって微笑ましいです。

案外日本人の書いた欧州風ファンタジーを向こうの人が読むと、

同じような感想を持つのかもしれませんね)

冒頭の台詞は、才能を認められてツラニ帝国の魔導師まで登りつめたパグが、

奴隷や捕虜に対する酷い仕打ちに拳闘義場で怒りを爆発させるシーンから。

シリーズ屈指の迫力ある名場面です

(『(笑)』収録「ファンタジーの小窓」より再録)

戻る