03/7/5
最終回

 やあ、はじめまして、こんにちは、久しぶり(笑)
最近来た人にはピンと来ないかもしれないけど、この絵画教室は、今回の講義をもって終了します。
 少年時代は終わるって書いたけど、絵画教室もちゃんとした形で終わりたいってずっと思ってた。
 で、ようやく最終回が書ける時間が出来たってわけ。

 僕が君たちに教えるラストレッスン。さあて、何を書こうか、迷いに迷った。
誰も知らないような秘密のテクニック?世界が変わっちゃうような真理?
 ううん、そうじゃない。そうじゃないんだ。
 最後の講義は「上手に模写するテクニック」にしたよ。
 これは別に特別凄いテクニックでもない。ちょっと絵が描ける子なら自力で見つけちゃうようなテクニックだよ。実際僕も子供の頃、誰にも教わってないけどなんとなくわかったもん。

 ちょっとがっかりした?(^^)
 でも、僕の話を良くわかってくれる子なら、きっとこれも何か特別な事なんだろうって思ってくれるかな?

 じゃあ、本題に入ろう。
 まずは模写したい絵でも写真でもなんでもいい。それをコンビニに持っていってコピーをとってきて。
 そしたらそれに、5mmか1cmのマス目を定規で引く。元絵が小さいなら5mm、大きければ1cmでね。シャーペンより、先を尖らせた2Hか4Hの鉛筆がいいかな。


 引けたかな?
 次に、これから模写する紙にもマス目を引く。最初から方眼紙に描いてもいいけどね。
 さっき引いたマス目と同じマス目なら等倍に、二倍なら二倍の大きさで模写が出来るよ。

 さあて、いよいよ本番だ。まず、元絵の一マスだけを良く見て。


とりあえず、目のところを見てみるか。

 ここまでくると絵には見えないね。
それじゃ、このマスだけを同じマスに模写してみて。
コツとしては、「マスの、この辺りから、この線が、このあたりまで伸びているな」って考えながら写すこと。
後は、他のマスも同じように写すだけ。
慣れてきたら、だんだんと元絵のマス目を大きくしよう。
もっと慣れてきたら、マス目が無くても同じように描ける様にしよう。
以上。

 簡単でしょ(^-^)
簡単すぎ?(笑)

 だけど、これが基本中の基本なんだ。
そう、僕が君たちに教えるラストレッスンは基本中の基本。
 今まで何度も何度も書いてきたけど、基本という土台の上に技術は立っているんだ。
基本がなってないと、ちょっとした事でガラガラと崩れてしまう。
 これから先、君たちが絵を描いていくなら、いつかきっと、自信をなくしたり、悩んだりすることがあると思う。でも、そんなときは、焦らずに、まず基本を見直して欲しい。 ううん、絵だけじゃない。人生のあらゆることに当てはまることだよ。

 さて、改めて基本の大切さを教えたから、最後の最後に、高等テクニックを一つ教えよう。
確かに、基本は大事だけど、それだけでは駄目だ。

 これから教えることは、ちょっと難しいけど頑張って理解してね。
 今は理解できなくても、そのうち理解できるようになるから気にすることは無い。

 まずは、この詩を読んで欲しい。
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温かいココア入りのマグカップを持ったまま
飽きることなく君を見つめていた
昔話を聞かせて欲しいと
僕の手を引く君の小さな手が
ひやりとして心地よかったから
君を包むように抱き寄せ
いろんな話を聞かせてあげた

最初は教えているつもりだったけど
いろんな事を教えてもらったのは
僕だけの秘密
だけどそろそろいかなくては
君の柔らかな感触は名残惜しいけど
僕の中の温かいものは
全て君に伝えたよ
空になったマグカップをコトリと置いた

月日が流れ君が大人になっても
このぬくもりを覚えていたら
きっと
僕と同じ事をするんだろうな
だって
僕も君と同じだったから

窓から春の装いを済ませた
薄青の空が覗いている
人が変わったとしても
昔と変わらぬ この大空だけが
昔と変わらぬ光景に
暖かな春のきらめきを振り撒いていたに違いない
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僕が少年時代の終わりを詩にしたものだ。
 どうかな?この詩を読んだ後、どんな「気持ち」になった?
「寂しい気持ち」になった?それとも「あったかい気持ち」になった?

 何気ない質問だけど、「イラストレーション」の根本に触れる質問だよ。
君の絵を見た後、見た人はどんな気持ちになっただろうか?
君の絵は、見た人をどんな気持ちに「させた」だろうか!?

 全ては書かないでおくよ。教えてもらったことより、自分で考えたことの方がより深く理解できるから。

 …ああ、やっとすっきりしたよ(^-^)
 これで、本当の本当に最後。
次の新しいHPでも絵画教室は書かないつもりだから。
 絵画教室をずっと書いてきて、ようやくわかったんだ。
僕が人に教えるなんて、まだまだ早いって事にね。
 あと二十年位したら少しは教えられるかもしれないな(^^)
 「もっと教えて欲しかった」って思った君は、もっと良い先生が身近にいることに気づいてないぞ。
「迷ったら大自然に聞いてみなさい」

 …じゃあ、またいつか会える日を想って。
 ばいばい。