02/7/23
夏休み特訓その2

 よーし、道具は用意できたかな?2Bの鉛筆、カッター、金属やすり、練りけし、A4の紙、あー、あとコンパスと定規も必要だった(^^;学校で使っているから、持ってるよね?それでかまわないよ。
 金属のヤスリもなければ、爪きりのヤスリでいいんじゃないかな。真っ黒になっちゃうけどね(^^;

 さあて、特訓を始める前に、確認しておくぞ。

○一度やると決めたら、絶対に途中であきらめないこと。
○毎日、同じ時間に寝て、起きて、そして勉強すること。
○絵を描いていないときでも、たえず絵のことを考えること。
○ここを読んでいる間は、私のことを先生と思うこと。
○私の言う事をすべて実践すること。

 これが一つでも出来ないと思う人は、ここから先は読まなくていい。もっとも、はじめたはいいが、途中で出来なくなったとしても、誰からも怒られることは無い。もちろん、私も怒らない。
 いいかい?これからする勉強は「自分の意思で始める」ことだ。学校の勉強のように、親に怒られるから。先生に怒られるから。そういった動機でする勉強とは根本が違う。
 「自分の意思」で「やりたい」と思ったなら、誰かに怒られることを恐れるのではなく「自分に負ける」ことを恐れなさい。

 覚悟は出来たな?では、特訓の第一週目を始める。
まず最初に、今の自分の力を試そう。
写真や絵を参考にせず、想像だけでリアルな人間の顔を描くんだ。
正面を向いた顔で、頭のてっぺんから鎖骨あたりまで含めること。
A4の紙の半分くらいを使って大きく描くんだぞ。
今は上手く描けなくても気にする必要は無い。
逆に上手く描けないほうが、一ヵ月後の喜びが大きくなるというものだ。

…描けたら、隅の方に今日の年月日を書き入れること。
これからは、練習した紙には必ず年月日を入れて大切に保管すること。
段ポールなんかにいれておけばいいだろう。
こうして保存することで、自分がどういった過程で上手くなったのかが、わかるようになる。

では、本格的に教えよう。
 まずは、鉛筆の使い方からだ。
たかが鉛筆と思っては駄目だ。道具が上手く使えないようでは、上手い絵は描けない。
 初めは、削り方だ。まず、芯が長くなるように、カッターで削る。
下の図はだいたい原寸大だ。



 このぐらい削ったら、次はヤスリで芯を研ぐ。2Bは芯が柔らかいから力を入れすぎないこと。


 上手く研げたか?上手く研げたなら、シャーペンよりも細い線が描けるはずだ。
鉛筆の持ち方はこう。
 ちなみに私の場合は先端から6cm離れた場所を握っている。
慣れたら、その位離してもいいだろう。
そうすることで、手が邪魔になって絵が見えにくくなることも無くなる。


 逆に太い線が描きたかったら、別の紙を用意して、そこに芯をこすりつければ、自分の望む太さに出来る。
 さらに、線ではなく面を塗りたかったら、鉛筆を寝かせて芯の側面を使えばいい。
持ち方はこう。親指と中指でつまんで、人差し指で押しつける感じだ。


 単純な鉛筆も、正しく使ってやれば、立派な画材になる。これがシャーペンではなく鉛筆を使う理由だ。
 それから、持ち方が少し特殊だが、早く慣れるように。多分、いつもの握りより、かなり芯から遠い場所を握っていると思う。こうすると、鉛筆に余計な力が入らなくなる。筆圧が強くて悩んでいる子でも、綺麗な線が引けるようになる。
 これでもまだ、力が入ってしまうなら、小指を立てるといい。

 まあ、今は単純な直線でも、上手く引けないだろうけど、我慢すること。何日か練習すれば慣れる。
 ただし、中学校以下の子は、上手くならなくても落ち込むことは無い。それは、まだ君の体が発達途中だからだ。上手くならなくても続けてさえいれば、16歳ぐらいから自然と上手くなる。それまでは上手く扱えなくても大丈夫だ。

 持ち方の次は、腕の使い方を教える。
 多分、今の君たちは、「指」と「手首」を動かして絵を描いていると思う。そうではなくて、指や手首はまったく動かさず、ひじ、肩を使って、絵を描く練習をしなければいけない。
 今日から何日かは、紙に○と□をびっしり描く練習を続けてもらう。
○の大きさは直径5cmぐらい。□もそのくらいの大きさだ。
 まず、椅子に座って机に向かうこと。紙に対してまっすぐ座り、背筋を伸ばす。紙に顔を近づけては駄目だ。
 それから、左上から右に○を並べて描く。右端まで埋まったら、その下に□を同じように並べる。そうやって、交互に○と□を描き続けるんだ。
一つ一つ丁寧にゆっくりと描くんだぞ。腕全体に意識を集中して、ひじの先で図形を描くように動かすんだ。手首は絶対に動かすな。
 そして紙が○と□で埋まったら、今度は、一度描いた○と□をなぞるようにして、もう一度描くんだ。線から、はみ出さないように気をつけて腕をコントロールしなさい。

 もう一つ、重要なテクニックも教えておこう。
それは、イメージをともなった練習だ。
普通に○や□を描くだけでは効果が薄い。
例えば、○を描くときは、○の形を頭の中でイメージしながら、描くんだ。最初のうちは、「まる、まる、まる…」と念じながら描くと良いだろう。
 こうすることで、無意識に腕の筋肉の動きが違ってくる。

 これを慣れるまで一日一枚。一日に沢山描いても、疲れるだけで効果はあがらない。枚数は少なくても、毎日続けることが上達の近道だ。
また、紙に描かないで、腕だけを素振りするのもいいだろう。
ひじを支点にして車のワイパーのように腕を振る練習もしておくといい。

 これから約一ヶ月、私が教えることは、今までの「楽しいお絵かき」と、まったくレベルが違うものだというのが、わかったと思う。
「絵は楽しい」
それは間違いではない。しかし全てでもない。楽しく絵を描くためには、それ相応の努力が必要なんだ。
 ただ、君が本当に絵が好きなら、その努力が苦労だとは感じない。本当に絵が好きなら、辛くても我慢できる。

 …さて、君はどうかな?

 はい、今回はこれで終わり(^-^)本当は、もう一段階進みたかったんだけど、これだけでも、えらく時間がかかってしまったんだ(^^;
 ふふ、どう?続けられそうかな?
 だいじょうぶ、だいじょうぶ(^^)君なら出来る!一ヵ月後の自分を楽しみに頑張ってね。
 では、また次回。