【後期授業開始】
 9月29日から始まった後期の授業は2月3日に終わるはずでしたが,補講を含め2月14日が最終日となりました.構内は受験の準備があるので,特別な入門書を持たされた状態で講義を継続と言った具合です.後期の授業構成は前期(ビジネスへの実学ベースな学習)とは異なり,社会学的なアプローチ色が強い.解釈学及び組織論に代表される普遍性に対する再認識(何が普遍的なのか?と言った自然科学的には考えにくい論点からの思考的アプローチ),組織論で展開された象徴的解釈主義ポストモダニズム的発想が主な論点のひとつであり,このような授業を受けたことのない下名にとって非常にインパクトの強い内容でした.このような発想での授業はおそらく一般的なビジネススクールでは取り上げられない(普通はやらないよなー),早稲田大学特有のオリジナリティーの高い教育と思われます.良いか悪いかはそれこそ解釈学の世界でありますが,ビジネススクール花盛りの昨今,カリキュラムに何らかの特徴を持たせる必要があります.早稲田教育の新たな視点を強く意識した根来先生のお考えあっての興味ある試みとして,評価するものであります(偉そうに言ってますが).このおもしろさ,受講しないと分かりませんよ.

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【9月】夏休みの補講 
 → 立論構造図の作成に関わる基礎学習.
 → 統計分析のイロハに関して紹介あり.

【3月】春休みの補講
 → 修論作成に関連したケースの作成.

(1)月曜日: IT とイノベーション
   講師:前半 中央大学   秋澤 光 氏
      後半 東京経済大学 加藤 みどり 氏
      (このお二方,大学の先輩後輩だそうです)

 前半はアントレプレナーシップに関わる討論を展開,起業家精神の神髄とその成長過程に関わる時代的背景などを取り上げ討論している.何故日本ではベンチャーが育たないかである.具体的な教材として板倉雄一郎氏著書の社長失格,IT ベンチャーのハイパーシステムの破綻に関して討論したことが印象深かった.
 後半は12月8日スタート,元技術者/加藤先生の視点からイノベーションを考える.”何でこんなにすばらしい技術が売れないの,儲からないの...”こんな気持ちの技術者が結構多かったと言うことを再認識しました.MOT教育は今や時代遅れだそうです.ビジネススクール先進国のアメリカでは,MOTはMBAに吸収されており,個別の存在意義は薄れてきているそうです.日本のMOTブームはいったい何だったんだ!! 最終レポートは加藤先生に提出すると共に下名の修論の副査もお願いいたしました.

(2)火曜日:文献研究

  本学/商研 井上 助教授

 組織論をベースとした文献を原書で読むことがこの授業の狙い.教材は
Organization Theory / Modern, Symbolic and Postmodern Perspectives, by Mary Jo Hatch. 実に興味深い,後期の授業でこの講義が最もおもしろかったです.想像以上に組織論は難解で手こずっています.これ程までに抽象的概念であったとは,学習するまで知りませんでした.ポストモダンへの発想は組織論に限定された学問の流れではなく,技術の世界にもあるのではないかと思いました.実学ベースの学習とは異なり,経営学の基礎知識習得に役立つように思います.論文は,当然の話ですが学術的要素が無くては成りません.その為のバックグラウンド形成に役立ちます.井上先生の教材選定が大変すばらしかったと思いました.

(3)水曜日:インターネットビジネス

 富士通総研 浜屋 敏 氏

 インターネットビジネスを研究している現役シンクタンク研究員の分析能力を知る機会として有益でした.学外授業もあり,12月にはカカク・コム社長の稗田さんの講演会が研究会活動の一端として公開された.オタッキーなところはあるが,この分野,オタッキーでないとやっていけない,そんな印象で楽しませて頂いている.そのほかに課外授業で Square-ENIX 社長乙部氏の話を聞くことも出来ました.それと,サイボーズの社長/高須賀さんともお話しする機会に恵まれました.この世界,社長は30歳代が当たり前,凄いですね!40歳を超えた下名はいったい何なんだ!
 最終課題にクラスプレゼンテーションがあり,
楽天の将来事業構想(俺たちなら楽天こうするぞー)を取り上げました.クラスメートがあまりにも優秀(なんて言ったって現役会社役員とその経験者がいるわけで)過ぎて,レベルの違いを痛感,実に有意義な学習体験(かなり時間は取られましたが)を経験することが出来ました.この講義は最後の発表会でのディベート(と言える...?)が最高におもしろかった!授業とは思えない真剣且つ熱のこもった討論に,もしかしてここは株主総会(?)と思ったほどです.

(4)土曜日:解釈学と IT
   講師:本学/商研 根来教授, 東京理科大 小坂教授
       埼玉大学  内木助教授, 大東文化大学 内山助教授   

 IT によって引き起こされている現状での問題を考え,ポジティブな側面だけではないIT化の弊害を考える.解釈学とは何をもって真実とするか,普遍性とは実存するのかを社会学的アプローチから考えるもの(かな?).ここでの学習は思考回路を異なる側面からの刺激し,学術的観点を実学ベースにミキシングすることを狙いとしている.
 内山先生の講義は実におもしろいが,講義が長い(1.5 + 3 時間延長),ソフトシステムセオリー(SSM,難解ですよ)が主な論点, IT なんか嫌いだ! と言うところでしょうか...(全く同感です!)
最終課題はプレゼンとその要約レポート,最終発表会は12:30スタート,終わったのはなんと20:30,8時間に渡る長丁場でした.授業終了後に焼き肉屋(ホルモン商事,冗談のような本当のお店)でクラスメートと一杯,最初の一杯のビールが実にうまかった...小生のプレゼンのできはいまいちでした.

(5)土曜日:情報システムのアーキテクチャーと企業経営
   講師:ビジネス情報システムアーキテクト 手島 歩三 氏

 システム構築におけるアーキテクチャーの重要性を解く.特に日本で,システム構築が失敗する原因は,そこでのアーキテクチャー立論をせず,特定顧客向けに要求をうのみにした取り組みを行うシステムエンジニアのレベルの低さが挙げられる.システム構築のベースとなるアーキテクチャーがしっかり出来上がれば,顧客ニーズに万能に対応でき筈であるというのが彼の主張.もっともだと思うが,これを実践できているシステムエンジニアは果たしてどのくらいいるのか,根の深い問題提起である.内容が下名には難しかった...

(6)土曜日:IT・経営演習(ゼミ)
   講師:本学/商研 根来教授,井上助教授

 修論の提出計画を1月末に提出,のはずが審査頂く先生の御検印を頂くのにかなりの時間を要した結果,2月中場にも正式版を提出できず,暫定コピーを提出していると言った状況.修論題目は”
半導体ビジネスの競争優位の仕組み”,実務に沿った研究テーマを選定しました.来年の今頃は結構”ひーひー”言っているんじゃないでしょうか??? 修論のテーマ提出が来年の新年早々に,2年の修士課程なんてあっという間ですよね!
 この年になって大学院で勉強できるのは幸せなことです,若返りますよね.クラスの年齢は上下で16歳差,平均年齢は35歳くらいかな,このバランスが現役学生時代には無かった経験です.社会人大学院というのは大変良い刺激が得られ,気持ちが若返るところが最も心地よい....

インターネットビジネスのグループ発表メンバー,すばらしきクラスメートです(ジョンさん宅にて).