大学知の工場 を読んで
日本経済新聞社 2002年11月11日発刊
(2002年12月1日)

 企業が選ぶ優れた大学総合ランキングは以下の通りでした.

1 慶應義塾大学 2 早稲田大学   3 東京大学  4 京都大学
5 東北大学   6 東京工業大学  7 大阪大学  8 九州大学
9 一橋大学   10 名古屋大学  11 北海道大学 12 立命館大学
13 筑波大学   14 神戸大学   15 上智大学  16 東京理科大学
17 千葉大学   17 横浜国立大学 19 東京農工大 19 同志社大学

Best 20 に私立が6大学ランキングされています.これまでは国立大学と私立大学は入試方法が異なる(偏差値評価)ことから,単純に同じ場で比較されてこなかったわけです.企業が大学を選ぶ場合,偏差値による差別化は無意味でありこのような評価が可能になったと思われます.これまでの古い感覚(偏差値重視)による大学評価の結果とは異なったランキングになっていることが注目されます.

COE ( Center of Excellence) ランキングは以下の通りでした.

1 東京大学(11)   1 京都大学(11)     
3 大阪大学(7)   3 名古屋大学(7)
5 慶應義塾大学(5) 5 早稲田大学(5) 5 東北大学(5)
8 東京工業大学(4)  8 九州大学(4)  8 北海道大学(4) 
11 立命館大学(3)  11 筑波大学(3) 
13 奈良先端科学技術大学(2) 豊橋技術化学大学(2) 
   横浜国立大学(2)  広島大学(2)

ここでの評価は基本的に研究ベースでの選定結果と思われます.私立大学で研究活動を念頭に置いた存在価値を認められた大学は早稲田,慶応,立命館と言うことになります.大学は研究だけで評価されるべきではなく,ここで評価されなかった大学は教育に徹して頂ければよいと思います.国内全ての大学が研究で評価される必要はないわけですし,教育重視の大学があってこその研究ではないのでしょうか?

企業の大学評価とCOEの結果は必ずしも一致いたしません.

企業からの大学評価は研究水準のみに集約されるのではなく,教育(学部,大学院,社会人),国際性,即戦力度,産学連携度と多岐にわたります.特に近年は入学時の偏差値より,入学後の教育力重視の傾向が強くなっています.これからは文部科学省の評価が即に大学の真の序列にはならなくなると考えます.

企業における大卒採用基準も東大優先主義を早々に脱し,米国流の個人重視とすべきです.個人評価の採用になれば新卒社員の初任給一律と言った日本では当たり前である世界の非常識も是正できます.東大卒優先の採用は卒業生を介した中央との癒着期待があることは周知なので,ここでも国の取り組みが必要であろうと感じます.